章の最終更正日 平成22年11月14日

神霊世界に関わっていますと、常に矛盾という問題に遭遇します。
それはデタラメとは、少し違っています。

では、矛盾と何でしょうか?。

【矛盾】
楚の国に矛(ほこ)と盾(たて)を売る者がいて、
自分の矛はどんな盾でも破ることが出来て、
自分の盾はどんな矛でも防ぐことが出来ると誇った。
人に、お前さんが売る矛で盾を突いたらどうなるかと聞かれて、
答えることが出来なかったという故事(韓非子)。
辻褄が合わないことが矛盾です。

神霊世界を論じる時、常にこの矛盾の問題に突き当たります。
思考の世界では、これを矛盾律とか矛盾原理と言います。
同一原理には反面があるということです。


日本の神道では、よく神漏岐・神漏美の命(みこと)が言われます。
神漏岐(かむろき)あるいは神留岐とは、男子系の皇祖神を指します。
神漏美(かむろみ)あるいは神留美とは、女子系の皇祖神を指します。
この場合の皇祖神とは、
日本の天皇家のことではなく、宇宙創造に関わった神達のことです。
本来は、神室(かむろ)とすべきだったかも知れません。

この神漏岐を表す時、「鉾」の字が使われる時があります。

神は正十字形で表す
立ての働きは火の厳霊で、矛・戈・鉾(ほこ)
横の働きは水の瑞霊で、盾(たて)
そこには、火水(かみ)の矛盾が生じます


矛盾の解決には、二つの道がありました。
一つには、盾が矛を通さないこと
一つには、矛が盾を突き抜けること




今日では、厳霊とか瑞霊という言葉を耳にしますが
これは大本教で、出口なお開祖を厳霊、
出口王仁三郎2代教主補を瑞霊としたことから知られます。
何故、大本教は厳霊とか瑞霊の神芝居をしたのでしょうか?。
それは、人々の父なる神に対するイメージが違っているからです。

厳霊とは、父(男)なる神を意味します
瑞霊とは、母(女)なる神を意味します

大本教の場合は、厳霊と瑞霊の演技者の性別の立場が入れ替わっていて、
無理矢理に「変性(へんにょう)」などとしたのです。
なお、この変性とは元は仏教用語で、辞書を検索しても説明されていません。

古来より、厳父慈母と言われる様に
厳は父に対する尊称
父なる神を説く時は、厳令・厳命に従うを説くべきです
それが、神の威光と呼ばれるもの。

神の慈愛とは、母神を説く時に言うのです

神は愛の教えを説くキリスト教の信徒さんは、
イエスは父神を説いたと思われますが、
イエスは瑞霊、母神の愛の教えを説いたのです。
私は、霊界から最初はT型道路、後で十字路を見させられて、
当時は、何の意味かまったく理解が出来ませんでした。
一般的には盾は立てて防御に使い、矛は横に突き刺すのですが、
神論で見る時には、この位置関係を変えて見ます。

辻褄とは?
辻は道が合うことで、褄は左右が合うことから
物事の道理、始めと終わり、道筋の意です

【辻褄を合わせる】
ちゃんと合うべき事の道筋です。

大本教では出口なお開祖を艮(丑寅)金神国常立尊として、
出口王仁三郎聖師を坤(未申)金神とする演技がなされました。

ウシトラ金神と言う意味は、
夫神たる国常立尊様は艮(東北)に退かれたからとされます。
ヒツジサル金神と言う意味は、
妻神たる豊雲野尊様は坤(西南)に退かれたからとされます。
すなわち、夫婦でありながら出会えない夫婦の意味になります。
また、厳霊と瑞霊が交わらないとなります。

その大本教で、別の演技がなされました。
それは出口王仁三郎聖師の娘である三代教主
アサノさんを竜宮の乙姫として、
三代教主の婿であった日出麿さんを日之出神としたことです。
この日之出神と乙姫も夫婦神の意味なのです。

出口王仁三郎聖師の似せ者発言は、
その娘であったアサノさんや日出麿さんも含めての発言なのです。
大本教神諭に、竜宮の乙姫殿と日之出の神がすっきり揃わないとあります。
当時は、まだ本物が登場していなかったわけです。

この竜宮の乙姫と呼ばれる女性は、
母なる神(豊雲野尊・イザナミ尊)の系譜を引き継ぐ魂の存在であり、
神界の秘中の秘とされていました。
日本神話にある豊玉姫のことではないのです。
その肉体が誰かと知れると、邪神界から抹殺される恐れがあったからのようです。
これが、「みの尾張の国の中から現れる女子」になります。
みろくの世において、全ての人に衣食住を不自由なく授ける為に、
物質界を司る豊雲野尊様、イザナミ様、豊受様の魂を秘めた者です。


夫神・日之出神と妻神・乙姫殿が結ばれる時、
それが辻妻が合うなのです。
大本教神芝居も最終幕の完結にと行くことになります。

大本開教は西暦1892年(一早くに)の節分ですが、
神界は数え年で計算しますので、
西暦2011年の節分で開教120年目祭となります。




追稿